Blessed Movie

祝福された映画、みると感動するオススメ映画を、とことん主観的に紹介。ついでにいろんなオススメ紹介

スパイダーマン、その敵、ゴブリン

 悪役のグリーンゴブリンは、まさに、神から離れ、サタンの支配を受け、揺れ動く罪深い人間の状況を

見事に描いた、悪役です。もともと、ノーマンオズボーンは悪い人ではなかったが、薬の副作用で、悪しき別人格が覚醒し、ゴブリンとなって破壊的な行動に走ります。それは、いわゆる、聖書の中の、レギオンという悪霊に憑かれた人に似ています。イエスキリストによって、悪霊を追い出してもらうまでは、ものすごい怪力で、鎖を引きちぎるほどの力で破壊的な行動に走る狂人ですが、ひとたび、悪霊から解放されると、全く人が変わって、正気に返ってしまいます。

 それと同じように、オズボーンは、自分の内側から囁いてくる別人格のゴブリンの声に当惑します。そして、鏡を見ると自分の顔なのに、醜い表情で、話しかけてくる別の人格の持ち主、ゴブリンに気づき

恐れます。これは、心理学的には、多重人格という精神の病でありますが、バイブル的には悪霊に憑かれ

その深い支配に陥ってしまった人という状態です。オズボーンは、自分の本意ではないのですが、特に夜になるとゴブリンとなって、破壊を繰り返します。

 ですから、このゴブリンは、悪魔にやられてしまった弱い人間を表現しています。自分で、自分をコントロールできなくなってしまった狂人あるいは犯罪者です。

 しかし、いずれにせよ、誰しも人間は罪人であり、誰も自分の力で自分を完全に制することのできる人はいません。完全に制するどころか、恐ろしい罪深さをいつの間にか発揮してしまうのが、弱い人間です。その姿を見事に強調して描いたのが、ノーマンオズボーンなるゴブリンなのです。